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March, 2014

「こんにちは、APOLLO一級建築士事務所を主宰する黒崎敏です。2000年事務所設立以来、東京を拠点に90以上の建築をデザインしてきました。2007年より韓国ソウルに、2013年中国鄭州市サテライト拠点を置き、住宅や商業施設等、複数のプロジェクトが進行しています。今日は東京に建つプロジェクト2つを紹介します。 ã€

 

CAVE





東京神楽坂の閑静な住宅街に建つ単身者のための住宅。外壁は濃茶色のガルバリウム鋼板を長尺横葺きで使用し、黒板塀で囲われた花街の雰囲気と調和を図った。玄関横やガレージ周りの外壁には溶融亜鉛メッキ鋼板を使用し、異なる鋼板の組み合わせで遊び心のあるコントラストが生まれた。

外観は角地の特性を生かしたパノラマコーナーウィンドウが象徴的で、道路側の景色が水平に切り取られ、コンパクトな室内に奥行きと広がりを与えている。

ワインの貯蔵庫としての地下室には特注のラックやソファ、書斎や本棚なども設え、電子ドラムの演奏も楽しめる。1階には広めの納戸。そして客間としての和室は自然光を極力抑え、灰色や藍色の和紙、灰桜色の畳などが建築化照明と一体化し、小宇宙をつくり上げている。2階には料理好きの建主の為にゆとりあるオープンキッチンに加え、大勢のゲストが集えるウォルナットのダイニングテーブルを造作。大きな天窓からは、吹き抜けを介して柔らかい拡散光が降り注ぎ、椅子座のダイニングと床座のリビングが段差により緩やかに連続し一体感を生み出している。3階にはバス・トイレ等の水廻りや主寝室などのプライベート空間と小さな坪庭も併設。

中央のストリップ階段を介し、4層を上下に移動しながら楽しめる本住宅は、天窓や高窓、コーナー窓などから自然光が注ぎ込み、多様な開口部で切り取られた街並みや空のシーンが室内のアクセントとなり、都市住宅とは思えない広がりや奥行きが生まれている。
 



Photos: Masao Nishikawa
 

 


SWITCH





東京の下町にある創業85年の老舗の鰻屋さんの建替計画。前面道路拡張計画により、敷地縮小を余儀なくされた建主は、創業100年目を新店舗で迎えることを決意し、RC造の店舗併用住宅を計画した。

敷地は間口20m程あるものの、奥行きが2~6mしかない細長い敷地。大きなファサードによる視認性を生かし、1階道路面には開口部を設けず、杉板黒塀を髣髴させる杉板型枠のコンクリート打放し仕上げの外壁面を構成。時と共に年齢を重ねる老舗の風格を表現した。上階は白漆喰のフラット仕上げとすることで木肌のコンクリート面とのコントラストが生まれ、4.5mのキャンティレバーによる浮遊感が水平のボリュームを更に強調させている。また、端正な水平木製縦格子により、外部に生活感が表出するのを防いでいるのもこの建物の特徴の一つである。

アレルギーを持つ子供達のために居住階の壁面には漆喰を、床天井には米杉無垢板を使用し、シックハウス対策を施した。水平高窓から差し込む自然光が天井面に反射し、柔らかい光のシャワーとなって室内に降り注ぐ。子供室にはロフトも設け、リビングやダイニングとの空間の連続性も確保。南側に設えたルーフバルコニーからは、プライバシーを確保した屋上へのアクセスも可能。

1階店舗には明るい印象が生まれ、根強い既存客に加えて若い女性や子供の新規客層も増えた。区画整備エリアの新たなランドマークとしての役割も果たしている。





Photos: Masao Nishikawa


 
I N S I D E   A P O L L O


PUBLICATION
 
「腕のいいデザイナーが必ずやっている仕事のルール125」
宇野昇平、木村茂、國時誠、黒崎敏、戸恒浩人、鳥村綱一、藤原佐知子、武藤智花、渡邊謙一朗著

エクスナレッジより2014年4月出版されました。
>>Amazon

APOLLO一級建築士事務所 / APOLLO architects & associates
www.kurosakisatoshi.com

 



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