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年明けに発売された『DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー』2022年2月号「特集:アジャイル化するプロジェクトマネジメント」を読みました。
そこに掲載された論文「プロジェクトエコノミーの到来」(アントニオ・ニエト=ロドリゲス)では、現在の経済活動はプロジェクトベースで進められるケースが増えており、組織における既存機能の活用(オペレーション)と、新規能力の開発(プロジェクト)の双方に力を入れて進める必要がある、永続するのは「変化」だけであり、変化の予測、管理、遂行を実現するためにはプロジェクトを巧みに動かすことが最善策である、と論じられていました。これはここ数年の私たちの実感とも重なり、深く同意した次第です。
さて、そんな私はといえば、プロジェクトにおける「体制図」について考えていたところでした。
プロジェクトを立ち上げる際、目的やマイルストーン、使用するツールなど最低限の情報を整理しますよね。その中の一つの情報である「体制図」について、いわゆる階層構造を示す組織図・体制図は、オペレーションにおいては機能しますが、現在のプロジェクトにおいては十分に効果を発揮していないのではないか、と考えていたのです。
プロジェクトにおいて、意思決定は1人で行われるものではありません。
例えば、アプリケーション制作の機能要件を決める場面で、責任者として「決定権」は誰か一人に与えられ、あるいは定められていたとしても、詳細は様々な能力を持ったひとに相談しながら決めていくことが多いのではないでしょうか。
その現場の状態を図示するために、私たちはこれまで、会議体による意思決定の内容とタイミングを可視化する整理を数多く行ってきました。そして、その会議体の整理と、体制図が目的とすることは同じではないかと考え、会議体をもちいたプロジェクトの意思決定構造の整理を行うようになりました。
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